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2012/03/20 11:38

酒井若菜はスゴい!

3月20日春分の日 横浜。

休日の朝、食事をとりながらテレビを見ようとスイッチを入れた。

チャンネルはNHK、林隆三が映っていた。何やらドラマの途中だった。

チャンネルを変えようとしたが、耳に入ってきたそのセリフを聞いて、

手にしたリモコンをテーブルに置きなおした。

「“富山弁”やがいや!」

目玉焼きにソースをかけながら、思わずつぶやいた。

林隆三さん以外にも、そうそうたる俳優陣が出ている。高岡市伏木が舞台らしい。

伏木の町相撲をテーマに、先の大震災で被災した石巻の元漁師の若者が伏木に来て

繰り広げられる人間模様を描いたドラマだった。

伏木の町並みや病院、義経岩の見える海岸など、よく知っている景色が随所に出てくる。

このドラマで驚いたのはそのセリフ。なんと、役者さん全員が“富山弁”をしゃべっている。

よく聞くと、確かに“富山弁”しかもそれは、ちゃんとした“高岡弁”だ。

今までにも富山が舞台のドラマをいくつか見たが、使われていた方言は、ほとんどが

中途半端な富山弁。それも、一部の役者しか話していなかった。

マイナーな方言だから無理もないが、富山のネイティブからすれば、微笑ましくも、

耳障りのあるものだった。

だけど、今回は違っていた。多少、イントネーションの違いはあるものの、見事だった。

特に驚いたのは、林隆三の娘役の女優さん。登場する役者さんの中でも、とりわけ

完璧な高岡弁を話していた。

「絶対、地元出身の女優さんか、地元のオーディションで選ばれた人だろう」と

思った。

富山弁のうまい女優さんというと、野際陽子さん(確かおばあちゃんが富山出身)が

いるが、一人だけネイティブの方言スピーカーがいると、逆に浮いてしまって、

なんとなく気恥ずかしさを感じてしまうものだが、まさに彼女はそうだった。

その演技力と、細部まで洗練された方言使いに脱帽せざるをえなかった。

一体、何ていう女優さんだろう?ずっとそう思いながらドラマの結末までいき、

最後のエンドロールにその名前を見つけることができた。


「酒井若菜」・・・たしか、グラビアアイドルじゃなかったかな?


とても気になったので、早速グーグルで彼女の名前をを検索にかけてみた。

自分の記憶に間違いはなかったが、現在はドラマや映画で活躍されている女優さんだった。

さらに、このドラマに関する自身のブログがあり、制作の時の話が書かれていた。

予想に反して、酒井若菜は栃木県出身。しかし、仕事に対する彼女の考え方や

プロ魂は僕を納得させるものであり、まさに“さくらノート的”で感動を覚えた。

彼女の話は、自分だけに留めておきたくないと感じたので、全文を紹介したい。



富山で暮らしてます。酒井です。
富山のスタッフさんが初めてドラマを撮るので、今回はドラマ経験のある名古屋スタッフさんもたくさん現場にいらして、富山県民と名古屋市民、キャストの東京都民が入り混じった、なかなか経験できる組み合わせではない不思議なメンツが揃った現場。

あたたかい。

私は、おはようございます、がちゃんと交わせる人が好き。
正直、挨拶を蔑ろにするかたもたくさんいる。
今回の現場に関わっているかたは、見事なくらい全員が、気持ちのいい、おはようございます、をくださる。
それだけで私は、この作品に携われた意味を感じる。


それにしても富山弁は難しい。
私は、人に台詞を覚えている姿や、練習している姿を見られることがとても苦手。
俳優なんて、恥をかいてなんぼの仕事だけれど、時々現場でマネージャーさんに相手役の台詞を代読してもらっている役者をみたりなんかすると、私には最早悟りを開いているようにしか見えない。
私にはまだ、本番以外の恥を払拭なり、恥とも思わない精神力なりが身についていないのかもしれない。


とにかく努力をしている姿や未完成な状態を人に見られたくない。
だから、会話劇なら自分でレコーダーに相手役の台詞を吹き込んだりして、とにかく台詞は一人で覚えている。
というか、私は基本的に、どんな長台詞だろうが、一度読めば大体台詞が入るラッキー体質なので、覚えられなくて困るということがほとんどない。
ただ、台詞に違和感を持ったら最後。
一行どころか、一文字を認識することすらできなくなる。
数年前に休業があけてから数年間は、まさにスランプで、ずっとそんな感じだった。
それこそ自分の台詞も録音して音楽代わりにイヤフォンでずっと聞いたり、全部書き写したり、目から耳から手からと、あらゆる手段を使わないと覚えられなかった。
それが、Motherの撮影をきっかけに、台詞覚えのよさが復活した。
ところが、違和感を持つとやっぱりコントロールが効かなくなる。
勿論、最終的には覚えるけれど、道のりの厳しさはなかなかのもの。
台本に、無数のまつ毛が落ちているようにしか見えなくなる。
だいぶ恐ろしいよ、これ。

かつて夏目漱石が、執筆に行き詰まると、鼻毛を抜いて原稿用紙に埋め込んでいただか植えていただかをしていたという話は有名だけれど、そりゃそうだ、と思う。
鼻の痛覚で、脳の滞ったエネルギーを解放なり分散なり紛らわせて、白っぽい原稿用紙にとにかく黒を載せることで、鼻毛を文字と錯覚したかったのではないかと思うんだ。


あ、あれれー。
話の逸れ方えげつない。

なんだっけ。

あ。富山弁。
台本に違和感を持ったとき以外はすんなり台詞を覚えられるけれど、不可抗力なのが、方言モノ。
私は頭も悪けりゃ耳も悪い(残念な人)。
だから、現場の空き時間はずっと方言指導のかたに練習に付き合っていただいている。
人前で練習する剥き出し感。

だけど、順応性だけはある私(褒めたりけなしたり。あー忙しや)。
この現場では、もう大丈夫。

今はただ、練習あるのみ。

ロバートデニーロは一言の台詞を700回ずつ練習するらしい。
うっかりスーパー俳優を引き合いに出してしまったけれど(笑)、腕はともかく努力くらいなら私にも真似できる。
私程度なら、まだまだ頑張り方のバリエーションがあるはずだから。

ホテルの部屋にいる間は、ベッドに入るまでずっとレコーダーを流して練習している。
10回練習して、1回も上手くできない。
それをずっと繰り返していると、10回に1度だけ、上手くできた!と自分で思える時がやってくる。
もっともっと繰り返していると、ある日突然、10回に5回くらい、言えるようになっている。
それがとても面白い。

クランクイン前に東京にいた時は、ここ2ヶ月胃痛と知恵熱で吐き倒していたけれど、富山に来てから、富山弁の練習が一気に面白くなった。
そして体調もすこぶる良くなった。
よし!
もっともっと、頑張ろう。


このドラマは、とてもチャーミングであたたかい話。
今どき、ではないかもしれない。

だけど、素晴らしい作品に絶対になる。

友人に「なんでこんなバカ忙しいときにローカルのドラマに出るの?」と言われた。

かんっけぇない!

面白いからだよ。
出たいから出てるんだ。


私は、映画もすごく好きでやりたいけれど、基本的にはテレビドラマを続けていきたい。
どんなに世間や業界人が「今のテレビつまんないよね」と言っていても、だ。
テレビは客を選ばない。
そういうの、気持ちがいいから好きなんだ。


祖父が他界した頃、祖母が「テレビに出てる若菜ちゃん、もっと観たいな」と言った。
だけどその頃、私はテレビの仕事がなかった。
祖父を亡くした祖母の淋しさを埋められるのは、テレビだった。
その時私は、

「これからは、ばぁちゃんが楽しく観られる作品に出たい」

と強く思った。

それなら、分かりやすくて、あたたかい話がいい。
どこかに足を運ばないでも気軽に楽しめるテレビがいい。

この作品は、私が求めるものを持った作品。
そりゃ、いつ関東で放送されるか分からない。

だけど、このドラマは、絶対にばぁちゃんが喜んで観てくれる。

そんな作品に携われていることが、私はとても、嬉しいんだ。


共演者の60代のおじさまたちに囲まれる日々。
皆さんとても面白くて、可愛がってくださって、私は腹を抱えて笑ったり、うっかり泣きそうになったりを繰り返している。
毎年夏に栃木に帰っているのだけれど、今夏は帰れなかったし、毎年誕生日には家族の誰かが日中にプレゼントを持ってきてくれるのだけれど、今年は余裕がなくて断ってしまった。
例年より家族と会っていない上、祖父や祖母のことを考えている日々だから、お父さんがたくさんいるみたいな錯覚に陥って、
ってかね、60代だった頃の祖父にそっくりのかたがいらしたり、実際の父に似ているかたが父役だったりするから、もうね、不可抗力です。

和気あいあいとした現場は苦手。
そんな私が、和気あいあいを楽しんでいる。

いかに自分が自惚れて、いかに自分が割り切って仕事をしてきたか、よく分かった。

仕事、楽しくても、いいのかな…

大大大先輩たちに、胸を借りても、いいのかな…

なんて、思ったりしてさ。
なんか少し、仕事は仕事!と厳しく考えすぎていたのかもしれないね。
そして、富山スタッフの可愛子ちゃんが「こんな大きな仕事をするのは初めてです!」と言っていたくらい、ドラマが初めてのかたにとってこの作品がいかにスペシャルなものなのかと知るたびに、私は忘れていたものを取り戻しているような気がします。

いい現場。


共演者の先輩がおっしゃった。


宇宙と土の間で、余計なものを削ぎ落としたとき、振り返ったところには自分がいる。


お金で得た富はなくなってしまうかもしれないけれど、身についた謙遜は、なくならない。


大物になる人は、みんなきまって、自分の弱さを知っている人なんだよ。


と。


写真は、ホテルの部屋に飾っているお花。
長旅のときには、なるべく部屋にお花を飾っておきたいの。
安心するから。
富山のかたはとても親切で、花屋を探す私に地図を書いてくれたり、一緒にそこまで連れていってくれたりして、とても嬉しかった。
日中は地元のお店に入り浸って長話。
夕方からは撮影。
濃い日々を過ごしています。


お花、長生きしてくれますように


ごきげんよう


NHK「港町相撲ボーイズ」
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